東日本大震災 「【泳げこいのぼり被災地の空に】 その3
2013年03月14日 | 09:55 | カテゴリ:未分類
その1 → http://turezurenikki.e-know.jp/e413803.html
その2 → http://turezurenikki.e-know.jp/e413852.html
【石巻へ】 忘れもしません。2011年4月24日(日曜日) 前日も遅くまで準備作業をしていたのですが、当日の朝も早くから目が覚めてしまいました。
名簿の整理がおわっていなかったので、妻が作業を手伝ってくれました(感謝)
出発の1時間前には、休日にも関わらず弊社スタッフが手伝いにきてくれ 積み込みはあっというまに終わりました。(これまた感謝)
(動画)積み込みの様子 http://www.facebook.com/video/video.php?v=206945435995151&saved (動画)出発の様子 http://www.facebook.com/video/video.php?v=206948172661544&saved トラックには300匹のこいのぼりと広島の皆さんの思いを積んで出発しました。
助手席にはこの旅の助っ人をお願いした竜二が寝ています。 竜二は、ダーツBARのオーナーで、出発の日も朝まで仕事をしていたようです。 宇品のホームセンターで、ロープなどの必要物品を購入しました。
【宇品インターから高速道へ】 竜二は、まだ酒に酔っているため酔いがさめるまでは私が一人で運転です。 まずは、小谷サービスエリアでちょっと遅い昼食をとりました。 私は眠くなるといけないので軽めに・・・竜二は熟睡モード用にガッツリ! ミネラルウォーターなどを購入して、再び山陽自動車道へ・・・
竜二はまもなく眠りについたようで静かになりました。 起こしてはいけないと思い、ラジオもかけずに運転を続けました。
すると・・・左のバックミラーになにか青いものが見えます・・・
すこしづつ大きくなっていきます。 「なんだろう」
眠りについたばかりの竜二を起こして「あれ、なに?」と
その瞬間です。
青い物体が、車から落ちていきました。
そうなんです。先程のサービスエリアで横の扉をきちんと閉め忘れたようで 運転中扉が開いてしまい、そこから荷物がこぼれ落ちたようです。 走行車線を走っていたので、荷物は道の端に落ちているようです。
後方を十分に確認して、後続車がいないことを確かめて 竜二に荷物を取りに行ってもらいました。 せっかく眠りかけていた竜二は・・・かなり不機嫌になりましたが 事故がなくてなによりでした。
これは、なにかのサインだと思い、運転には細心の注意をはらうことを肝に銘じました。 気を取り直して運転を再開しました。
竜二はまたうとうとし始めた矢先・・・・
後ろからパトカーが・・・運転席の横に並ぶと
手で合図。「着いてきなさい」とのこと
また竜二は眠る事ができません(ごめん)
パトカーに先導されて、次のパーキングへ。 車を安全な場所に停車させると、警察官のかたが
「違反や切符を切りにきたわけではないので安心を!」と第一声 「さきほど、サイドの扉を開けたまま走っているトラックがいる」との通報があり
注意をするために追いかけてきたとのことでした。
どこまで行くのか?との問いに、石巻までと答えました。
「被災地支援ですか?」との質問に「はい」と答えました。 すると・・・その警察官の方は、先週被災地支援に行かれたとのことで
「東北道に入ると、道がデコボコしている箇所があるので十分注意してください」 「安全運転で行って帰ってきてください」と声をかけてもらいました。
再度安全運転を心に近い、ハンドルを握りました。
竜二はかなり不機嫌です・・・ それでも、数十分後にはいびきをかいて寝てしまいました。 実は、もう一度警察官のお世話になるのですが・・・それは、またその時に・・・ 山陽自動車道を大阪に向かって進みます。 これといって報告することもないので、助手席で眠っている竜二のことを少しお話しします。
(あまり書くと、彼は嫌がるのですが・・・) 竜二と出会ったのは5年前の夏でした。 丁度弊社で新しいスタッフを募集していました。 そんなある日、会社に就職希望の電話がありました。 通常だとハローワークさんを通じてのアプローチなのですが 竜二は、直接電話してきました。
竜二「働きたいんです」 私「年齢は?」 竜二「17歳です」 私「じゃあ、運転免許はまだだね・・・身長と体重は?」 竜二「171cm 49kg です」 (酒の配達員の募集なので、免許がなく体格的にも・・難しいな)
そう思った私は、断ろうと思いました・・・・でも
私「電話ありがとう・・・君の年齢ではちょっと難しいね・・・・・」 私「でも一応、連絡先を教えてくれるかな?」と竜二の連絡先を聞いたのです。
採用する気はなかったのですが、なぜか聞いてしまいました。 その後、数人から電話がありましたが面接するまでには至りませんでした。 数日後、ふと竜二のことを思い出して、話だけでもしてみようと思い
面接と称して、食事に誘いました。 そこで、いろんな事を話しました。 高校を中退した事、居酒屋の店長のバイトをしていたこと・・・ いろいろヤンチャだった話など・・・そして「夢」を語ってくれました。 「居酒屋をやりたいんです」と・・・ その目は、とても澄んで輝いていました。 「竜二の夢を応援したい」 結局、18歳になって車の免許を取得したら採用するということで話がまとまりました。 そして3年間は、私のスタッフとして働いてくれました。 弊社で居酒屋を始めた時にも手伝ってくれていましたが・・・ 私の辛抱が足らなかった事もあり、彼は私のもとから去って行きました。 その後も、関係がなくなることはなく、5年経ったいまでも喧嘩しながら繋がっています。
実は、竜二を鹿児島の「知覧」に連れて行きたいと前々から思っていましたが そのチャンスがなかなか作れませんでした。今回「被災地に連れていく」ことで 竜二になにかを伝えたい、なにかを感じて欲しい、そう願っていたのは事実です。
本当の息子ではありませんが一緒に「男旅」がしてみたかったのかもしれません・・・
宝塚付近で渋滞に巻き込まれ、大阪を抜けるのに1時間以上もかかってしまいました。
まだ竜二は爆睡中です。 京都をぬけ、もうすぐ名古屋というところで竜二は目覚めました。
名古屋で東名高速に乗り換えです。竜二に、名古屋の面白い飲食店の話をしている隙に
高速への道を間違えてしまい、都市高速に入ってしまいました。 しかたがないので、一旦高速を降りて、逆方向の高速に乗り換えました。 しかし、東名高速への入り口がなく・・・京都方面にかなり逆戻り・・・ 再度高速を降りて、名古屋方面に向かい・・・無事に東名高速に入りました。 最初のサービスエリアで、食事と交代。
名古屋名物「ひつまぶし」をちょっと贅沢ですが頂きました。 ここからは運転を竜二に代わって、仮眠しようと すると、竜二は自分の携帯電話から好きな音楽をガンガン鳴らします・・・・ 眠気防止と思うので、消せ!ともいえず・・・ おかげで仮眠できません。 寝るのはあきらめました。
東名高速は、さすがに大型トラックが多く、寝るにも怖かったので丁度よかったです。 持参してきた ipad で 書き込みをしようと電源を入れると 広島の岡崎ちゃんからメッセージが 「twitterで、避難所にこいのぼりを掲げたい」と書いている人がいるんだけど 私は「場所聞いてくれる、行ける距離なら行くよ!」と
実は、この時点でも、こいのぼりの設置場所が決まっていなかったのでした・・・ 少しして返信がきました「名取市」らしい・・・ 名取市は仙台市の隣の市なので、行く事は可能です。 すぐさま岡崎ちゃんに「行くと伝えて!」と依頼しました。
その後、twitterでつぶやいていたのは、中学校の先生だと判明し 翌日メールでやり取りすることになります。
そんなこんなで用賀に差し掛かり、首都高に入りました。 夜中の首都高なので 竜二でも運転は大丈夫だと思い、運転は代わりませんでした。 でも、竜二はかなり緊張していたようです。
竜二にとっては、せっかくの東京なの、首都高を通るだけがかなり心残りのようです。 首都高を抜けて、東北道に入りました。 この頃から、被災地に向けて自衛隊や警察の車を多くみかけるようになりました。
福島に入り、原子力発電所のことを思いながら一路北へと進んで行きました。 昼間の警察官の方のアドバイスのとおり、道がデコボコしている箇所があり 行きは大丈夫だけど、帰りに酒を積んでいる時にはかなり注意しないと!と話し合いました。 福島から宮城県に入るあたりで 日の出です。 とても嬉しい気持ちになりました。 目指す石巻までもうすぐです。
(つづく)
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